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[コメント] カクト(2003/日)

日常会話の様なリアルな台詞?それを並べて「映画」にしようと思うのは如何な物か。 2003年11月16日劇場鑑賞(甘めの評価。本当は★2)
ねこすけ

**ネタバレ注意**
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映像感覚は良かった。音楽はもっと派手にした方がいいと思う。これじゃダサい。もっと使い方を工夫しないと五月蝿いだけ。けど、全体的にそんなに想像したほど悪くは無く、クライマックスに登場人物の絡みが集約していく様は中々良かった(全然満足できないけど)。

だが、登場人物がギャーギャーわめているだけの台詞と、どこか感覚だけの上っ面だけの映像、「リアル」と謳っているが故に逆に不自然にすら見えてくる五月蝿い会話。ドラッグのトリップ感覚と、窮屈な日常の中での疾走感を描こうとしているのは良く分るし、俺はある程度感じる事は出来た。

だが、前半その「リアル」な台詞が延々と続き、バカな登場人物が騒ぐたびに少しずつ嫌悪感の段階が一つ上に上昇する。話は展開せず、主人公は登場しないのに延々と続く会話。しかも五月蝿いだけの。主人公が登場し、パーティが終わって話が主要人物三人に絞られ始めるのは、上映開始してからの約1時間後。正直言って、ここまでは退屈だった。

ここからはある程度楽しめた。ヤクザとの絡みから訳の分らん車オタクと変なチンピラ二人組みと張り込み中の刑事。それなりに頭は捻ったらしく、なかなか上手く絡んでいたと思うし、あそこからの疾走感は中々良かったと思う。

だけど、前半の30分、否、1時間は必要ないと思う。この作品は1時間50分近い上映時間だが、思い切って1時間程度の尺で勝負してみて欲しい。最初のダラダラと続くリアルで五月蝿い会話と映像感覚を見せるだけの、ストーリーが進行しない部分なんて退屈で冗長。クライマックスの登場人物が絡む様子もあんなに単純な物じゃなくてもっとハードにパワフルに練り直せ。

とにかく1時間。それでいい。そうすればもっとパワーの溢れた映画になれたはずだ。個人的に、こういうテーマというか、コンセプトの映画は好きだ。だが、意味も無くダラダラと続く「日常」は「映画」ではない。練り直せ。とにかく練り直せ。

点数は甘め。本当は★2。もしこの監督が次に長編撮って進歩がなければ俺がアホだったって事か・・・

(評価:★3)

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