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[コメント] 最後の恋、初めての恋(2003/日=中国)

そ、そうか!これは『北斗の拳』のユリアとケンシロウの関係だ!!(違 2004年1月18日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







不治の病(?)と宣告され、余生を愛する人と静かな場所で穏やかに暮らす主人公二人の姿はもしやケンシロウとユリアか!?と、言う事はドン・ジエ扮する妹はリンで、その彼氏はバットて事だ!!ついでに言うとドン・ジエシュー・ジンレイの親父は海のリハクだな!!ははぁ〜ん、これは絶対に『北斗の拳』のオマージュだ。

と、一人アホな妄想をしながらエンドロールの小田和正を聴く俺。

余りにベタすぎるラブストーリーではある。しかし、そんなモノは予告を観れば分かる事なので、この映画の鑑賞を予告で判断して見に来た人は(初めからコキ下ろす気しかなかった人を除けば)この作品を「ベタでつまらん」と言う批判は的外れに違いないと思ふ。

予告で示されていたのは「時間が止まって生きる気力を失って過去をずるずると引きずる男。上海に転任になり、女性に出会う事で再び時間が動き出す。しかし、彼女は病気で余命あとわずかしかないのであった」という聞けば聞くほどベタなストーリーに、画面を薄暗く演出しておきながら、家族揃って飯を食っているシーンではやたら光を取り込んで岩井俊二も真っ青の映像を予告編で曝け出している。おまけに予告編にデカデカと「「僕ら」by小田和正」と書いているんだもの。

ここまで予告で「この映画はこんな映画ですよぉ〜」とアナクロニズム丸出しで宣伝しているにも関わらず、それを知っている上で見に行ってどーのこーのと、そんな所を安っぽいだの、何だの云々批判するつもりは俺には無い。

実際俺だって見ていて「あぁ〜ベタだなぁ」て思ってたけど、そんなモノ予想通りの結果なので別に気にならなかった。どれだけ話がベタに傾こうと、俺はベタが好きなんだから仕方ない(モロ主観)

対照的に描かれる姉妹(片や恋愛を楽しみ、片や恋愛を”楽しめない”)、対照的に描かれる男と女、そして二人にとっての”時間”。片や死にたくても生きてしまう、片や生きたくても死んでしまう。「流れていくだけの時間」の男と、「流れを止め、今が永遠に続けばいいのに」と思う女。”流れる時間”と、その中にある”永遠”の物語。生きる希望の物語(あまりにベタすぎるんだけどね)

個人的に、この話は恋愛ドラマとしてよりも、心の傷からの回復に関する物語として、良作だったと思う。

本筋は少しダラダラやり過ぎていてちょっと長いとは思ったけど、この作品の中で重要な”時間”に関する部分ではかなり好感が持てた。

とにかく中盤での石橋凌の強烈な一言、主役二人の対照的な”時間”に関する考え方、俺は一人感心したのでありました。結局、絶望に遭遇して落ち込むだけなら楽だけど、そんな空虚な流れを眺めるだけの”時間”よりも、一瞬一瞬を生きる”永遠”の方が良いんだぞ、って事だな(何か違

どうでもいいけど、主人公がシュー・ジンレイに「好きだ」というシーン。「恋なんて永遠には続かない」「しかし君は、今、生きている」。上海に着たばかりの時の彼の口からでは想像も出来ない希望を見出した台詞に俺は一人関心したのでした。

ベタベタだけど、本筋のラブストーリーよりも、主人公の希望を取り戻すまでの話だと考えれば中々良い映画だったと思う(つっても、こっちの方の話も十分ベタなんだけど)。

シュー・ジンレイは確かに美人なんですけど、怒ったら怖そうな気がするのは僕だけでしょうか?

(評価:★4)

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