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[コメント] Ray レイ(2004/米)

理解超えた偉人。ならば、その偉人を理解できない俺は凡人、かな。 2005年3月27日劇場鑑賞
ねこすけ

非常に完成度の高い作品。下手な美化をせずに裸のレイ・チャールズを描く事によって観客は純度100パーセントの感動を得る事が出来る。それが魅力であり、所謂カリスマ性と言う奴なのであろう。きちんとその事まで余す事無く伝えた本作の力量は、確かに素晴らしく、また主演を演じたジェイミー・フォックスの演技力はずば抜けた物があるのは、映画素人の俺が見ても十二分に理解できる。圧倒的な存在感である。

ただ、やっぱりそれ以上に、俺はここで描かれるレイ・チャールズにどうしても共感を感じる事は出来ず、「なんだよこの野郎」って感じで見ていたのも事実。つーかその部分の方が大きかったのも事実。無論、それを描く事によって、本作を貶す人も居るかもしれない。それを覚悟の上で本作を制作したスタッフ一同はかなりの本気と見える。でも、でもその本気をいくら感じられた所で、やっぱり俺には理解できない。

レイ自身の音楽に対するリスペクト。そして人生を駆け抜けたその圧倒的な存在感。その存在感が大きければ大きいほど、俺の中の生理的に受け付けられない部分が膨らむ矛盾。但し、その傲慢さ、或いは自暴自棄さ、つまりは自意識がなければ、あれほどの音楽が作れなかったのだろう。

ならば、(俺にとって)本作も、レイ・チャールズも、あまりに完成度が高すぎた、と言う事だろうか。レイ・チャールズがあまりに偉大すぎた故に、俺があまりに矮小すぎた故なのかもしれない、とふと思う。

いつも通りの採点基準ならば★3の本作だけども、製作者のその度胸と言うか本気っぷりに圧倒されたので★一つ追加。

(評価:★4)

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