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[コメント] プラネット・テラー in グラインドハウス(2007/米)

「グラインド・ハウス」なのに、こんなに面白かったら評価に困っちゃうところ。 2009年6月13日DVD
ねこすけ

wikipediaでは「エクスプロイテーション映画やB級映画などを2〜3本立てで上映していたアメリカの映画館のこと」として定義される「グラインド・ハウス」。で、この映画がそれを再現したものだとしたら、少なくともこんなに出来が良くっちゃダメな気がするのだが、どうなのだろうか。

技術的な面での「再現」に関してはともかく、全体的な印象として「面白い」と思った。だけど、この「面白さ」ってのは、ロバート・ロドリゲスがぶっ飛んだ映画を作った「面白さ」であって、これまで汚い映画館で安い木戸銭で上映されていたおバカなB級映画的な面白さとは(勿論、良い意味も含めて)異なっている気がする。そして、だからこそ、それをどう評価するかは、少し難しい問題であるような気がする。

「グラインド・ハウス」というタイトルは、「これはおバカな映画ですよー」という“宣言”に他ならない。だけど、それを真正面から再構成した『プラネット・テラー』は、B級臭さを漂わせつつも、一級の面白さを備えてしまっている。「B級臭い面白さ」を的確に再構成したら、一級のエンターテイメント(≒バカ)映画になってしまった、というような。そういう逆説が働いている。それって、何かが違う気がする。

ここが、この作品のテーマ(=「グラインド・ハウス」)に関して、逆にマイナスに働いている気がしてならない。その意味では、この映画を手放しで褒めることはできない。終始、大笑いしながらも、どことなく感じた居心地の悪さは、ここに起因しているのだろう。つまり、この映画のバカさは大好きだけれど、もはや「エクスプロイテーション」とか「B級映画」の枠におさまらない「エンターテイメント」の「出来の良さ」に。

(一応付言しておくと、別に「狙ったB級映画」が「出来が良い」と、全てダメだ、と言っているわけではない。例えば(狙ってるのか知らないけど)『マーダー・ライド・ショー』とか、凄く素敵な映画だったしね。)

ま、何にせよ、面白かったからいいけどね。

(評価:★4)

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