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[コメント] ザ・ミッション 非情の掟(2000/香港)

撃ちすぎ・・・ 2004年3月27日ビデオ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「プロフェッショナル」を意識した作品なので、地味になるのは否めない。言葉など無くても意思の疎通が可能な男達が、何も言わずにサッサッと配置に着く様子は何ともいえないプロっぽさ×カッコ良さ。地味だからカッコ良さが生まれ、本当にカッコイイから地味になる。華麗に舞わずとも、銃を構えて寡黙に仕事をこなす事だってカッコイイのです、と一人納得。

プロっぽさゆえに生まれる堅苦しさと、その中に生まれる友情。細かいカット割でスタイリッシュに見せるのではなく、固定されたカメラで俳優の動きをきちんと捉える事によって描き出すカッコ良さ。そう、何たって彼らはプロなんだ!そして、その静かでリアルな静寂故により生まれる緊張感。クライマックスの飯を食っている所の素晴らしさ、ショッピングモールでの銃撃戦は良かった。

でも、でもだよ、どうしてもあと一歩「プロ」に近づけていないアマチュアにしか見えない。何故だろうか。例えば、銃を手にし、点検して「スプリングが弱い」と言って再点検させたりするシーンのカッコ良さはすげーんだけど・・・

個人的に、プロフェッショナルを強調した場合、同時に必要になるのがリアリティだと思う。『狼 男たちの挽歌 最終章』のチョウ・ユンファは本当にプロだろうか?いや、カッコイイから別にプロでもアマでも何でも構わないし、そーゆー野暮な事お構いなしに楽しめる映画なので別にいいんだよ。

でも、この映画は寡黙に仕事をこなす男達を強調し、さらに一つのミスを犯しただけで命の危険に晒される、と言う結末まで用意した「プロ」を強調した映画。その映画の中のプロがバンバン銃を撃ちまくる。全体的に撃ち過ぎな気がしましたけど・・・あっ、いや、実戦を経験した事の無い僕の意見ですけどね。

ホルスターとか使ってるんだろうけど、あれだけ撃ちまくってもマガジンチェンジをしているシーンは少ない。ホルスターを使っている所を確認できなかったのだけど、何処にマガジン保持してたんでしょうか?

廃墟に敵を追い詰めて、廃墟の中の敵に向かって狙撃するシーン。唐突にポイントサイト(スコープみたいなの)を銃に取り付けて狙撃し始める。どこから出てきたの?伏線くらい入れてよ。

何か、ディティールに拘りがあるからこそ、この映画にコレだけの完成度を与えているのがこの映画の魅力なんだけど、その魅力が災いしてか、そのディティールに納得できない部分があると、一気に気分が萎えてしまったのがなぁ・・・・

いや、やってる事は大好きだし、地味(寡黙)でカッコイイ!とも感じた。だけどなぁ・・・

しかし香港は物騒ですなぁ・・・敵の皆さんもの凄いライフルで狙撃してましたよ。これはリアルな香港?それとも映画的な香港?

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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