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[コメント] 力道山の鉄腕巨人(1954/日)

力道山は太陽に似ている
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







力道山に憧れる下半身不随の少年が、リキ本人に見舞われて感激。映画のほぼすべては、少年がその夜に見た夢で構成されている。力道山演じる和製ターザンと少年の冒険物語。それはあまりにも幼くつたなく、いとけない子供の夢だ。夢から覚めた少年は現実の力道山のプロレスを見て感激、思わず立ち上がり一人で歩けるようになる。

これに似た映画を1本、オレは知っている。『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』という映画だ。少年に夢の中で勇気を与える、人知を超えた怪獣ミニラとゴジラ。そしてこの映画の力道山もまた、夢の中で少年に何かを与えた。それは力とも勇気とも生命力ともつかぬ、なにかとてつもない前向きのエネルギーだ。そしてその太陽のようなエネルギーに少年が感応し、歩けるようになってもおかしくないと思わせる男、それがこの時代の力道山という英雄なのである。

太陽の申し子のようなこの男をフィルムに収めただけで、この映画には絶大な価値がある。圧倒的に強く、明るく、暖かい力道山という存在がなかったら、ズバリ言ってこんなデタラメな映画、1分だって観るに耐えない。彼はお日様のような笑顔ひとつで、すべてを変えてしまう。こんな圧倒的な人間が現実に存在したとは、時代に間に合わなかったオレには本当に信じ難い。切に思う、彼と同時代を生きてみたかった。映画のラスト、オレはあの子供に、笑顔の力道山に抱きかかえられたあの子供に嫉妬したんだ。

(評価:★3)

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