[コメント] 迷宮物語(1987/日)
10代の頃にはじめて観てワケも判らず、なんだか難しい顔してたような記憶がある。
ビジュアリスト・りんたろうの病気が出た1話。『幻魔大戦』もそうだったけど、この人は調子に乗るとすぐしょうもない暗黒舞踏やるんだよな。製作も兼ねてるからやりたい放題、誰も止められなかったと見える。川尻善昭がはじめて監督した2話も面白くない。楽しめるのは3話、大友克洋の「工事中止命令」だけだ。
『幻魔大戦』では大友にキャラデザやらせてたりんたろうが、お前もアニメ作れやと誘って実現したこの短編、初監督作だけあってやや消化不良なんだけど、河をゆく『地獄の黙示録』ごっこの中で水面から突き出ている信号機をカメラが回り込む奇跡のような美しいカットがあって、それだけで満足させられる。アニメ素人だろうが大友には明白にギラリと光る才能があり、片や巨匠りんたろうは病気だった。大友は、のちに『メトロポリス』で再びりんたろうと組むことになる。
この作品のりんたろうのパートは絶望的につまらないが、大友克洋という破格の才能をアニメの沼に引きずりこんだこと、これこそが今作のりんたろうの大きな仕事だったんだ、と今なら思える。そもそもはかの手塚治虫もハマったのがアニメ沼なので、りんたろうの虫プロイズムを感じるところであります。
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