ラストは、おかしい。何故彼女でなく彼の方の・・・。

見ていて、途中で、ミドの正体について、幾つか想像してしまううちの一つにそれがあったし、全部が予測不能なんてことはもちろんないのだけれども。

破綻しているようにも見えるこれで物語は収まってしまっている。そもそも、劇画であって、ニンゲンじゃないものを突き放して見ているから、ここまで面白かったのだし、だからこそ、まともなラストであってはならなかったのではないかと。チェ・ミンシクも、自分のこの役は実在の人間から役を作るのではなく、想像で作る役だというようなことを言っている。

動物を見るときに、時に人間と同じような思考・感情を求めて、考え、感じながらも、時に「動物だから」と突き放して、頭で違いを理解することがある。この映画の人間のようなものを、見ながら、感じて、所詮マンガと突き放して鑑賞する。

ユ・ジテは、『レオン』のゲイリー・オールドマンの影響も受けたような『リベラ・メ』の時のチャ・スンウォンを超えた。『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスや『セブン』のケビン・スペイシーの影響も受けているはずなのに、『リベラ・メ』のチャ・スンウォンのイメージがやけに重なった『Ｈ』のチョ・スンウなんてのも思い浮かぶが、まだ格下。