どんな人でも100%悪いやつってことはないし、100%いいやつでもない。悪役は悪役、善人役は善人役、自分たちの過ごす世界はそんな勧善懲悪の世界ではない。そんな当たり前のことを再確認させられた。頭では知識としては理解してるつもりでも、こうやって見せられると感覚としてしみいってくる。善く生きるって大変なことなんだ。

また、基本的に単一民族の国で暮らす自分は、とてもぬるい世界で生きているんだなとも思った。ただ普通に幸せに暮らすことが、あんなにも難しいなんて。あんなピリピリとは生きていけない。

って、なんか中学生の作文みたいなこと書いちゃったな。

ここで評価を見て、平均点が高かったので、結構期待して見に行ったんだよね。どれだけ考えさせられるんだろう？自分にとってどんな衝撃がうけられるのか？どんな感覚を得られるのか？結果、肩すかしを食らわされた気分。映画としてみた時に、自分にとっては訴えてくるもの、伝わってくるものが少なすぎたんだと思う。あれだけの登場人物が上手く複雑にリンクして、ぐるっと戻ってこれてるのは、確かにすごいと思った。でもでもでも。結局、この映画を見て、何が伝わってきた？自分にとって何か得られたものは？面白さも衝撃も、精神的打撃もなくて。もちろん、全くなかったわけではないけれど。でも、見終わって思ったことは、「だからなに？」だった。結局、何が伝えたかったんだろうって。自分が人種差別ということに身近に関わってないからうまく捉えることができなかったのか、はたまた日常の風景を描いた映画に何かを求めすぎたからか。何も情報を入れずに見に行ってたら、何か違ったのかな。それとも、感情移入ってものは自分の経験や知識がベースだから、 もっと時間が経ってから見ると何か違うものが見えてくるのかも知れない。

でも、面白くなかったから、じゃあ点数は低いかというとそうでもないし。かといって、自分にとっては高得点をつけたくなる映画でもない。なんともいえない映画。