ほんと、地味で印象の薄い役者ばっかり。全然ダンスはヘタクソで、うだつの上がらない中年男。亭主に怯える生活疲れの人妻。口やかましい太った黒人メイド。見栄の張りぶりが哀しい老女etc... 練習の間もハラハラさせられ通しで、案の定発表会でもずっこけちゃって。

でもこれが、ラストのレビューでは一変、全員いきいきとした見事なタップとダンスを披露するんだよね。一年後、という設定なんだけど、つまり、この映画はもともとこれだけの完璧な実力を持った役者を集めてたってことでしょ？ 　こんなことを言ってはなんだけど、『ウォーターボーイズ』なんてこの面ではもう足元にも及んでないわけで。

ハリウッドってほんと怖いよね。

地味な映画の、しかも端役みたいな役者だって踊らせれば完璧！　金を湯水のように使ったCGや大がかりなセットや特撮には何とも思わないけれど、こんな地味な映画のためにだって、とんでもなく凄い人材がさくっと集まっちゃうんだもの。