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[コメント] セブン(1995/米)

この映画ほど、見終わった後にムナクソ悪い思いをさせられる映画はほかにない!
わんちゃん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 黒魔羅さんもコメントに書いていましたが、いったい犯人があのようなことをしでかした根底には何があったのでしょう?それは恐らく普通に生活している人には理解できるものではないと思いますし、よしんばこの犯人に「こういう理由からだったんだ」とのもっともな理由を釈明する機会があったとしても、そこには同情や共感などを覚える余地というのはほとんどないのではないかと思います。  なぜヘビを怖がる人が多いかという疑問への答えとして、「それはヘビの生活や生態などが未知であるから」という説明がありますが、この犯人に対する恐怖というのはこれに通ずるものがあるように思えます。つまり、同じように生活しているはずの人が、とうてい自分たちには理解できないような理由で、こんなにも簡単に残虐なことをやってのけた、という事象が、その人の「生態」を全く理解できない(=その人という人間性を全く理解できない)という恐怖につながっていて、それがこの映画の根本にあるのではないか、と思えるのです。そして、この映画を見終わった後に誰もが覚える「ムナクソ悪さ」というのは、この「得体の知れない人間に対する恐怖」に根ざすものではないか、と、思います。  一言でいえば、「ひとでなし!」の避難の一言ですませられる映画なのかもしれませんが、それはあくまで第三者として眺めた場合の話、本当に恐ろしいのはもしも自分がブラピの立場だったら、と思ってしまった時・・・最愛の人の首だけが入っている箱を悦に入って披露する輩が目の前にいる、という状況に立たされてしまったら、と考えてしまった時でしょう。恐らく誰もが、自分もきっとブラピと同じように手を汚してしまうだろう、と思わされたのではないでしょうか。 このことも、この映画が見終わった後にムナクソ悪さを覚える一端を担っているのであり、また怖い映画だと思わされる要因の一つになっているのではないでしょうか。 このような、「こういうムナクソ悪さを味あわせてくれる映画は他にない」、という意味で、私は5点を入れてしまいました。

まあ、本当にこんな人間がいたら怖い、と、つくづくそう思いますが・・・ でも、最近報道されるニュースの中にはこの映画で味あわされるムナクソ悪さと似た感触を持たされるものがいくつかあり、そういう現実の方が実際にはもっと恐ろしいことであり身近な恐怖であるとも言えるのでしょうね、きっと。

ムナクソ悪くなりたい人にはホント、オススメの映画です。

(評価:★5)

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