結局、エンドロールまで私の胸は踊ることはなかった。

思えば観客のカタルシスは作品に踊らされてナンボなのだ。しかし、前作で言う小泉今日子のような圧倒的な存在感を持つ敵がいないために最後まで翻弄させてはくれなかった。緊迫感が薄いのは真矢みきの傍若無人ぶり（にも関わらずすべて空振りの印象）があまりにストレートな我侭すぎて切れ者の策士には見えなかったからである。同時多発犯罪もひとつひとつも徹底的に薄く、前作のような所轄を中心とした行動の核が見えない。ヒューマンドラマ化も結構だが決めの台詞があまりに陳腐で失笑してしまった。

悪いことばかり書いたが、カラッとした空気感は健在。前作までを知っていると楽しめる小ネタはそこそこ笑える。（私は置いてけぼりをくらったが）新任管理官に「踊らされる大捜査線」という着眼点も悪くない。唯一の敵は「内にあった」というのも目新しさはないが面白い（とはいえ、結局は「内輪揉め」なんだけど）。

それにしてもこんな作品が動員数歴代一位とは・・・・。

本作のテーマは「増殖」だそうだ。私には「霧散」にしか見えなかったが。

※ちなみに海外版（？）と謳われている「Ｂａｙｓｉｄｅ　Ｓｈａｋｅｄｏｗｎ２」は シェイプアップされてテンポが良くなっている。よってあちらは★３。