[コメント] 悪魔のいけにえ(1974/米)
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キーッという引っ掻いたような金属音が鳴り響き、終始不安感を煽っている。ヒッチハイカーが自分の手を切る辺りから、もうキチ○イが自分のテリトリーに入ってきた感がひしひしと伝わり、うわっどうしよう?!という正視し難い、いや〜な不快感が充満する。後の殺人シーンよりも、自分はここのシーンが一番苦手だ。よくこんな演技できるな、と思う。
レザーフェイス初登場のシーンは迫力があり、ビシャ!っと金属のスライドドアを閉めるシーンは、アップにせずカメラの構図が変わらないだけに、妙にリアルだ。ドキュメンタリー的というか。
とにかく登場人物がホラー映画だけに、叫ぶやわめくは大笑いするわで騒々しい。普段人間の奥にしまっている感情がむき出しにされるだけに、観ているこちらも引き込まれる。女優の指をナイフで切るシーン、小道具の装置がうまく働かず、時間の都合で本当に指を切りびっくりした女優がわめいたらしいが、もう無茶苦茶な現場だったのだろう。
ズームの多用も恐怖感を煽る。『インランド・エンパイア』の序盤の会話シーンでも思ったが、近すぎるアップの映像は、人の顔でなくなにか別のモノにしか見えない。人間性を剥がしているのだろう。
終盤レザーフェイスに追っかけられるシーン、追っかけるのは早いな〜と観ていたら、コメンタリーによると女優が遅すぎて途中で止まったりする必要が出て困ったと言ってて笑った。まあ歩幅が違うしね。そしてラスト、チェーンソーの舞は、当然ホラー映画屈指の名シーンだろう。朝焼けをバックに踊るレザーフェイスは、悪夢のようであり、悪い冗談のようでもある。あのトラックの運ちゃんは逃げ切れたのだろうか・・・ 監督と一緒にレザーフェイス役の人も一緒にコメンタリーしてたが、雰囲気は和やかだったが、映像が映像だけに作中に出てくるキチ○イとダブって、ちょっと異様な感じがした。
改めて観て、やっぱりレザーフェイスは格好いいな、と思った。スーツ着てるのがいいんだよな。
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