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[コメント] 快盗ブラック★タイガー(2000/タイ)

 鮮やかな色調に充分対抗しうるベタベタなラブロマンスと残虐な銃撃戦。この濃い組み合わせは確かに「夏休み映画」って感じ。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 はじめの方の跳弾の説明が余計。「コメディ?」と勘違いしちゃったじゃないか!これラブロマンスだよ!大真面目な!

 恋人たちの視線、プラトニックだからこその不安が内在する視線。なかなか重ならないその視線が悲恋を思わせて良し。彼らの視線が交わったのはたったの三度(推定)。切ないじゃないか。しかも回想シーンから察するにほとんど会話もないみたいだ。こんなに控え目なもの、昨今では滅多にお目にかかれませんですよ。しかも不幸な身の上のダークヒーローと身分違いのお嬢様なんちゅうベタベタな組み合わせでやるなんて。潔いねえ。

 そんな甘ったるさと相反するアクションシーンの効かせ方が鮮やか。マカロニウェスタン調の残虐さ。飛び散る血と肉片。無口な二人のラブロマンス部分に時間をとっちゃったのを補うためかもしれないけど、マヘスワンやボスなどの脇キャラがいちいち派手なうえにつっこみどころ満載で楽しい。アクションシーンはその濃いキャラたちでいろんな得物を持ち出し、しかもあの色彩とCGの中で行うからもう暑苦しい。まあそれは予想していたことだから、それに答えてくれて満足。

 特に惜しいところふたつは、まず、結婚式襲撃シーンでマヘスワンがトイレから進入するところ。あのくたびれたブーツに泥にまみれ雨が滴る拍車が着いていて、その足で警官の顔面にケリを入れてくれたらなあ。派手で残虐なの目指すなら、そのくらいやってちょうだいな。もう一つは浜辺のシーン。「すばらしく美しい」ところだそうだけど、ベタなロマンスに浜辺と夕日は外せないだろうけど、私には子供時代の蓮の花咲く沼地の方が美しく感じられたよ。ああ、あの時はお互いの目を見て話していられたのにねえ…。

(評価:★4)

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