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[コメント] 北ホテル(1938/仏)

 自分たちしか見えていなかった恋人たちよ、勉強になるだろう?ホテルにはいろんな人たちがいるのだよ。あんたたちより悲しい人も。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 アルレッティの登場シーンにドキッとした。あの何ていう名前だったか忘れたけど、風邪ひいたときとかにやる蒸気吸入でタオルを被った状態から、ぱっとそれを払うと、彼女の花の顔。クッと彼女に引きつけられた。

 彼女とそのダンナをはじめ、周りの人たちがいろいろいて楽しい。だからこそ、あの二人のへろへろぶりがわかる。あの恋人たちは「あたしたちはとくべつ不幸せなのよ」とか思っているんだろうけれど、そんなことはないでしょきっと。カラッとした笑顔のアルレッティだって、そのダンナだって、あの宿の夫婦だって、みんな心にいろいろ秘めたものがある。だから優しくなれるのさ。そしてお人好しのあの人たちは、他人の不幸も背負い込んでしまうんだ。

 そんな優しさに触れた恋人たち。忘れないで、見守っていてくれた普通の人たちを。彼らの悲しみも背負っていかなければならないことを。

(評価:★4)

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