[コメント] 不良番長 一網打尽(1972/日)
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命がけで戦ってる最中に、その戦ってる連中の声で「♪ゲ、ゲ、ゲロゲロゲ」ですからね。最早何をしようとしているのか全く判らない。でもその選曲は最高です。
鈴木やすしや由利徹、大泉滉などのセミレギュラー陣の復活も嬉しい。何より山城新伍が好き放題に戻っていることは収穫です。今やこの人こそが「不良番長の象徴」ですからね。またあちこちで登場する「無駄な裸」もバカ丸出しでいいです。そもそも公園で全裸で絡んでるレズカップルなんていないし。
途中にお笑いが出てきてネタを披露するというパターンも帰ってきました。歌いながら登場する鳳啓助のイカレっぷりはかなり素敵で、「無駄な一世一代」感がタップリです。勢いだけでネタは最高に下らないですが。
そしてそんなバカの復活の反面、前作『不良番長 のら犬機動隊』で得たハードな匂いもかなり色濃く残っています。藤竜也や安岡力也らによって醸し出されているその匂い、それはそのまま不良というものがより現代的に変化してきたことの表れでもあるんです。いつまでも戦後すぐの不良ではいられない。全編に漂うグラムでサイケでナンセンスな匂いは、時代に追いつこうとする不良番長の格闘の証なんでしょう。
悪役にも内田朝雄、室田日出男、八名信夫と3名もの豪華キャストを配しており、晩年を迎えているシリーズに新境地を開拓しようという意識の強さは感じる作品となっています。あとラストで次作の予告を喋り出すのはさすがにビックリした。
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