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[コメント] 極道(1968/日)

勝新太郎の殺伐さに比べたとき、若山富三郎の演じる男はいつも可愛い。それが彼の魅力の一端となっていることは事実だけれど、また同時に魂が震えるような格好良さに到達できない一因でもあるように思う。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 だからクライマックスの殴り込みにしても、「頑張れー、頑張れー」とまでは思えても「か、格好いい!」とまではいかないんですよね。でもまぁこういった「身近なヤクザヒーロー」というのも、またありと言えばありなのかなぁとも思います。

 特に面白かったのが、出所してきた鶴田浩二と初対面して、組を継いだ経緯を言い訳がましく説明するシーン。あそこまで我々観客には「組を継げるのはアイツしかいない」みたいな説明が何度かなされており、そこで満を持して顔を出すのが「あの鶴田浩二」なわけですよ。そりゃ「あぁ、確かにこいつしかいないだろう。いないよな」ですよ。俳優としての格をそのまま役柄に投影し、それを前にした若山富三郎にアタフタさせる。これはかなり小気味よく可笑しかったです。

 主題歌も妙でよかったなぁ。「♪極道にゃ〜、極道にゃ〜、明日がないよ〜」。「よ〜」って。極道の使う語尾じゃないだろう。

(評価:★3)

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