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[コメント] ルパン三世 カリオストロの城(1979/日)

メリハリのなさ・・・。
j.boy

作品の最初から最後まで叙情的でおまけに本来の仕事である宝盗みを最後には人の心を盗んだと言わしめている。ルパン三世の魅力全くなし。とまあ見たら当たり前に思うことだがそれが宮崎駿の作品の特徴なわけでこれが好きな人も当然いる。問題なのはいかにいろいろな人間の心情の描写をいろいろな場面に詰め込みすぎているかである。

この作品は「ルパン三世」が原作なのでまだ次元や五右衛門は脇役にとどまって演じてくれるのだが不二子や銭形にいたってはもう脇役以上の働きよう、動きようだ(特に不二子はルパン以上に活躍している)。つまりこの場面もあの場面もこのキャラも活躍させてあのキャラも入れてと主人公以上に際立ってしまっている。しかもそれが主人公の心情を揺さぶるだの邪魔するだの極めて叙情的だ。 私は戦争ものなら戦争ものと徹底しているのが好きだ。たとえばそこに恋人と別れを告げて戦場に行く場面だとかなぜみんなこんな無駄な戦いをするんだとかそれに対するそれぞれの心情の描写を描いた作品などおもしろくもない。ホラーならホラーでその対象に心情など何も要らない。

この心情の描写にいたっては天下一品なのが宮崎駿である。「ナウシカやもののけ姫」は典型的な叙情的作品である。もちろん実績で見る人は別としてこういう作品が好きだという人はたくさんいるだろう。しかしその全てをいちいち台詞や描写で(あいまいなのも含めて)表現するというセンスのなさ、そしてその全てが見てる側の感情移入やカタルシスを壊している。ここでこの人物は何を考えているか思っているかなどをこちらが考える余地もない。この詰め込みすぎの台詞や過剰な感情表現はもはや普遍的に批評するところである。

(評価:★2)

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