どう考えたって一番魅力的だったのはエド・ハリスだろう。彼を堪能する為の作品としか思えん。そういう意味ではなかなかの高得点ですな。いや、もちろんジュード・ロウも良いよ。でもさ、どう考えてもハリスの方が強そうなんだもん。

それにしてもアイドル映画に出てるのに全然魅力的でないスターというのは本当に存在理由がないな。ジョセフ・ファインズは使い方が悪かったから仕方ないとしても、あの女はこの作品について自分なりにどう考えているのだろうか。素朴さを残す知性のある娘を演じたつもりだろうが、町一番のべっぴんさんが上京して都内の大学で演劇サークルに通ってるようにしか見えなんだ。まあ、あの美尻（俺的には）だけはなかなか上出来だった。

しかし惜しい作品だった。もう少し頑張れば傑作娯楽アクション映画として、俺の中で殿堂入りしてたのに。スナイパー二人が出てこないシーンを八割位カットして、狙撃をもっとアクション的にも、雰囲気的にもとことん追及してくれれば、あたしゃ５点あげますよ。あれですよ、あれ、｢開き直り｣ってやつ。

ストーリー的には途中から真剣に聞く気も無くなったからようわからんけど、結局の所やってることは『アルマゲドン』あたりと大して変わらんでしょ。もっと開き直って、誰にでも胸を張って見せられる素晴らしい娯楽映画を撮って下さいよ。この監督は雰囲気作りと俳優の魅力を引き出すことにかけては最高の腕前なんだからさ。あんたなら素晴らしい娯楽映画が取れるってば！　頑張ってくれよ！

一応触れますが、俺は別にドイツ人が英語しゃべったって全く気にならないけど、どうせドイツ語知らないし、それにしてもドイツの少佐とソ連の少年が通訳なしで仲良く会話してる光景は、なかなか面白かった。『ブラック・レイン』を民放でやった時ですら字幕だったぞ、珍しく。