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[コメント] モディリアーニ 真実の愛(2004/米=独=仏=伊=ルーマニア=英)

最初から実在の人物も登場するフィクションだ、と告白するのが逃げのように思えて仕方がない。現実の画家を高潔に描くのも、クソまみれに描くのも監督・脚本次第なのだから。映画人はグローバルに影響力を行使できることを忘れてほしくはない。
水那岐

モンパルナスの灯』鑑賞時に感じた本作への不安は、ある側面では的中してしまった。

浮世絵師が映画で描かれるときも、歌麿、写楽、北斎らが粋な人物だったり、唾棄すべき俗物だったりコロコロ変わるものだが、例えばこの映画でピカソが嫌味ったらしい人物に描かれても、それを覆す映画はまず実現できないところに、神の目をもった映画人の傲慢さがある。三島由紀夫の遺族が『MISHIMA』の公開を許さない理由はそのあたりだろう。

それでも、演技陣が「モンパルナス…」よりナチュラルで不快さを感じさせない演技をしていること、そして女性雑誌なみのスキャンダル趣味を発揮することがなかったのが、救いといえば救い。

(評価:★3)

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