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[コメント] パリ、テキサス(1984/独=仏)

渇いたエレキ・ギターの曲が素晴らしい。砂漠の画も悪くない。そんな中で語られる、歳の離れた男と女のよくある愛の話だが・・・
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







(*2人の愛の経過をすべて明かしているので、未観の方はご遠慮ください。)

2人の愛は3パーツに分けられるだろう。

第1パーツは4年前。 女は17,8歳。はるかに年上の男は盲目的偏愛、激愛になりがちで、やがて浮気の妄想、DV、酒とよくあるパターン。子が出来て改心するのも世の常だが、違っていたのは女の方が怒り出したという事。「子を産まされ、束縛されている」と言うのは若さ故のものだろう。

更に普通と大いに違ったのは、男が(疲れたのか?)無人の荒野に行きたいと思ったことだ。そして火事の後耐えきれなくなって衝動的に実行、失踪する。女は母親になる自信が無いと子を預ける。

第2パーツは、この映画だ。 男は4年間の砂漠での空白を経て、女をあの部屋で正視することは出来なかったが、自分自身を正視することは出来るようになっていた。そして子を引き取ろうと思った女も大人になっていた。

そして第3パーツは描かれていない将来の話だ。男が女と子の元に帰って来るという物語だ。そして、その為に買ったテキサスのパリの土地に家を建て、3人で家族になるのだろう。

だから、タイトルを希望の「パリ、テキサス」とした、というのは深読みし過ぎだろうか。

(評価:★4)

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