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[コメント] 三月のライオン(1991/日)

一風 変わったとっつきにくい作品だが、一度二度三度と観ると愛着が湧いてくる愛すべき好篇だ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







監督が好きなものを並べたようで、インカのフォルクローレ、アイス、取り壊し工事現場、さんまの臭い、カレーの臭い、柿の木、夜のブランコ、トイレから見る月、眠そうな猫、海に散らす写真、もろもろ・・・。どれかのシーンを好きになると、そこからこの作品世界に入って行けそうだ。

全体としては、お兄ちゃんとの楽しい日々を綴ってゆくが、記憶が戻った時にどうなるかという“不安”“恐さ”が根底にあり、その“恐さ”で物語を引っ張って行く。そして・・・ラストが殊の外鮮やかで素晴らしい。

付記1、インカのフォルクローレが3曲4シーンに使われているが、各曲自体が情感を持った個性的な曲なので、無言のシーンのBGMには効果的だが語りのBGMには不向きだと思う。一番最初に使われているシーン[曲は「拾った恋」(ロス・カルチャキス演奏 仏バークレーレコード、日本販売キングレコード)]は曲を殺している。

2、趙方豪はいい役者だったと改めて思う。彼の死('97年41歳死去)は大きな損失と言える。

(評価:★4)

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