強盗一味にも仲間としての紐帯があり、家族との愛憎がある、という点を描きこんだあたり、主演二人のキャスティングも相俟って「ゴッドファーザー」を意識せざるを得ない。惜しむらくは、パチーノの家庭崩壊とデ・ニーロの行きずりロマンスに深みがなくつまらないこと。むしろ、ヴァル・キルマーや（ちょっとしか出てこないが）トム・サイズモアの家族の描き方のほうに魅力があった。