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[コメント] 奇跡の海(1996/デンマーク=スウェーデン=仏=オランダ=ノルウェー=アイスランド)

聖書の現代版?トリアー版?長いしビシッと決まってないけど・・
草月

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私もアブラハムとイサクを思い出しました。

神は試す。何で? 旧約でアブラハムは神のお告げを聞く、生け贄に息子イサクを捧げよと。・・私はこの時点で既に引く。アブラハムは疑うことなく我が子に刃を向ける、とその時神が仰る。「私はおまえの信仰を試したのだ」・・ここでもっと引く。今の普通の社会で人を試す人間は嫌われると思います。我々人間社会では如何に人を信用できるかが重要課題です。走れメロスしかり。自由・平等・博愛・合理的は現代の全人類共通の勝ち得た基本的観念だと思う。しかし旧約はどうやら違うようです。理性的であるよりも、各個人個人の神との一対一の関係が最も重要であるようです。普遍の正反対。これは一歩間違えば、大変な結果をもたらすと思う。───と簡単に考えるのは現代人として傲慢な事なのだろうか?・・逡巡・・

映画ではその試され方にも引く。ただ単に「私の命と引き換えに夫を助けてください」ではダメなんだろうか?どーして他の男とやらなきゃなんないのー?これを例えば乞食となって物乞いするとか、百日参りするとか、断食するとか、頭を丸めるとか、ならいくらか抵抗感も少ない。ってやっぱ抵抗感を最大にする為かなー?うーん・・・物語としてやっぱり不十分だと思う。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は凄くよかったんだけどなー。でも私の聖書に対する大いなる疑問に答えてくれそーなトリアー監督は面白くて今んところ大好きです。

(評価:★3)

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