原作を知らない世代なので、ジョーが段平から貰った「明日のために」をその３までしか劇中で見せてくれなかったことに不満を覚えました。１０枚ちゃんと見せるか聞かせるかしてよ、と！

素人がボクシングをすると、パンチはそれっぽくなるんだけど、どうしてもフットワークやダッキング・スウェーといった上半身の使い方なんかがプロっぽくならないんだなぁ。それは本作でも同じ。だから単なる打ち合いになっちゃう。

その域まで俳優に求めるのは酷かとも思うけど、あの２人なら演じてくれる気がしてたので若干残念。つか、２人ともプロテスト受けたら受かるくらい練習してるとは思うんだけどね。

ラスト、力石の墓前にたんぽぽを供えて段下ジムに帰ってきたジョーがリング上に力石の姿を見るんだけど、その力石がシャドーボクシングをしながらジョーに、「ほらっ、（リングに）上がってこいよ」的な表情を見せる、その顔がサイコーにいいっっ！

あぁ、僕は伊勢谷が好きなんだなぁ。

特殊メイクを施した丹下段平（香川照之）も妙にアニメチックにならずに奏功していました。

欲を言えば、香里奈だけがミスキャストか？　どっちかっつーと、ドヤ街キャラだろ、彼女はっ！

かといって、「深窓の令嬢役」と聞いて思い浮かぶ女優も少ないんだけれど。

誰か、いる？

個人的には（好きではないけれど）堀北真希・戸田恵梨香辺りが適役だったかと。

まぁ、原作を知らないので映画を観ての単純評価だけど、５点満点で★４つ。

（後に香里奈が演じていた令嬢もドヤ街出身だと知り、この点は逆にキャスティングの妙と感じるようになりました。笑）

原作ファンにとっては厳しいところもあるのかな？

打つべし打つべし！

2011.2.15鑑賞