[コメント] 億男(2018/日)
端的に言ってしまえば現代版「芝浜」。モロッコのエピソードと描写が素晴らしく素敵で綺麗だ。落語「芝浜」を知っているとより楽しめる。唯一の難点は冒頭の導入部分の描写。下手すぎる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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お金で買えるもの、買えないもの。
お金で変わる人、変わらない人。
お金を手にした時に、「欲しいもの」を思い浮かべる人、かねてから「やりたかったこと」を実行しようとする人、さらに増やそうとする人。
九十九の足跡を追ううちに一男は様々な人に出会う。
そして、悟る。
自分は「お金によって変わる人間じゃない」と。
九十九はそれを見て安心する。
変わらなかった彼にお金を戻し言う一言が洒落ている。
「また夢になるといけねえ」
落語「芝浜」のオチの台詞だ。
結局のところ、お金自体はただの紙切れでそれに社会的に貨幣としての価値を持たせてはあるものの、やっぱりそれは紙なんだ。ないと不便だけど身の丈に合った生活をしていく分には「足りない」なんてことはない。その紙に執着する人が「お金で人が変わった」と言われるクチ。変わるのは人であって、やっぱりお金じゃない。
お金で人格や人生が大きく変わらない人が自分を信用してくれている。
九十九はそれが「お金とは何か」の残り1%の答えだったのだろう。
満足げに去っていく九十九。
主役はこっちだな。笑
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