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[コメント] バガー・ヴァンスの伝説(2000/米)

クリント・イーストウッドロバート・レッドフォードのサバナ観。
mimiうさぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この二人は、俳優から監督業に乗り出し成功している数少ない人物で、映画界の重鎮だ。

私はこの映画を見ている間、サバナを愛してやまないクリント・イーストウッドの事を思い出した。彼のサバナ好きは有名だ。彼の監督した『真夜中のサバナ』では、実際にサバナに住む人達を映画に出演させた程だった。

彼の映し出したサバナは、鈍色(にびいろ)がかっており、どこか不思議な雰囲気を醸し出していた。住んでいる人物も、超常的で風変わりな人ばかり登場している。

それに比べて、ロバート・レッドフォードのサバナは、限りなく美しい。今までの彼の作品ならば、どこかしらスモークがかった(例:『リバー・ランズ・スルー・イット』『モンタナの風に抱かれて』)自然の美しさが特徴だったが、今回は色合いがはっきりしている。これは、製作総指揮にスティーブン・スピルバーグを迎えたからだろうかと推測するのだが、実際のところ定かではない。

余談だが、モンタナ好きのレッドフォードが今回サバナを撮った事にちょっと驚いた。

二つの映画を見比べてみると、同じサバナとは思えない。実際にサバナを訪れた事のない私はどちらがどうとは言えないが、イーストウッドのサバナの方がより住民の内面に振れているような気がする。「サバナの魅力は、不思議なところである」と言うような事を聞いた事があるからだ。

この映画において、レッドフォードらしいなぁと思ったのは、人物の映画描き方だ。ライバルであるはずのウォルター・ヘーゲンとボビー・ジョーンズ(実在した名ゴルフ・プレイヤー)がとても紳士的で、ゴルフという紳士のスポーツをより象徴的に仕上げているところだった。

そして、ゲームを通じて自分を発見していく、一人の男の成長ストーリーとして本当にいい話だ。森の中で手が震えるシーンでは、ウルウルしてしまった。

しかし、本題に入るまでが長くていけない。最初、バカー・ヴァンスは、名プレイヤーのマット・デイモンの事かと思っていたので、なかなか核心に入らないのに嫌気が差し、一度断念し、今回は再見だった。時代を越え、人物が入れ替わり、なかなか出てこない主要キャスト。そこをもっと工夫して欲しかった。

最初、レッドフォードは自分がジュナを演じて、バカー役にモーガン・フリーマンを置こうとしたらしいが、、、、意見の別れるところです。

(評価:★3)

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