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[コメント] この首一万石(1963/日)

冒頭の瓦屋根と青空に突き上げられる毛槍の仰角。いいなあ。伊福部昭の音楽もいい!
ゑぎ

 槍の権三−大川橋蔵。町の女達が色めきだつ。大川、振り向くカットから登場。簪や矢立てを放ってくる女。続いて江利チエミの足。彼女も振り向いて登場。大川と江利との視線の交錯。本作も出だしから調子がいい。

 大川は、大坂志郎堺駿二らと、九州の小藩(小此木藩という架空の藩?)の道中人足に雇われるのだが、この道中シーンが、船での渡しや、土手の仰角等、見事なロケーション場面の連続なのだ。特に、富士山の麓の道中カットがとても美しい。このロケーションは羨望の的だ。現在ではVFXを使わないと、到底再現できないだろう。

 小此木藩家来の面々には佐々木孝丸水原弘原健策河野秋武汐路章ら。一行が三原の宿に着き大大名の行列に鉢合わせしてからが、プロットが急展開する。役者も、大大名側の香川良介藤原釜足、代官・平幹二朗、女郎の江利チエミ(二役)が加わる。サムライになりたい、と云っていた大川が、酔っぱらっているのをいいことに侍の格好をさせられ、切腹を強要される。こゝから、とんでもない混沌、もっと云えばスプラッター、もしくは、ファンタジーになってしまうのだ。具現化された画面はイマイチな部分もあるけれど、この徹底ぶりは、やっぱり凄い。

#道中人足のクジ引きのシーンで、チャンバラトリオの南方英二。科白アリ。

(評価:★4)

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