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[コメント] スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと(2004/米)

やっぱり、映画って被写体の力が大きいなって思う。後から考えたら穴だらけのプロット展開だが見ている最中は気にならないし、見終わってももうどうでもよくなる。久しぶりに「この映画が終わらなければいい」と思った。パス・ベガをずっと見ていたいと思った。
ゑぎ

 それにしてもパス・ベガがアダム・サンドラーの店に連れて行かれてからのシーンがたまらない。急に二人のアップカットが増えるのは映画の感情に寄り添った演出だ。

 だが、被写体の力が大きいと意識させられるのは、単にバス・ベガだけでなく、ティア・レオーニの母親役のクロリス・リーチマンもいいし、レオーニとサンドラーの間の娘役がとってもいい顔なのだ。また、こういった役者のキャラクタリゼーションに意識が集中できるのも名手ジョン・シールの手堅い撮影技術が基盤としてあるからだ。或いは、例えばラスト近く、大泣きのレオーニをリーチマンがなだめるシーンでとびっきりきめ細かなアクション繋ぎをさらりと見せるところなんかもジェームズ・L・ブルックスを評価すべきだろう。

 ただし、備忘のため少し違和感のあった部分を上げておくとすると、劇中何度か出てくる自動車の中の人物のショットで殆ど全てスクリーンプロセスが利用されており、他のシーンと明らかにルックが異なっている。設計段階で決められた方針と見受けられるが、意図が伝わらない。また、中盤のレオーニとサンドラーのセックスシーンの演出、レオーニの演技も???だ。全般に本作のレオーニの過剰なキャラクタリゼーションは成功していると認めるが、一部やり過ぎの感が否めない。

(評価:★4)

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