[コメント] ピラミッド(1955/米)
久方ぶりに再見。大傑作とまで云うと、云い過ぎかもしれないが、しかし矢張りメチャクチャ面白い。昔見たときの印象として、切り出した石と、砂による密閉空間の造型、その運動の面白さばかりが、思い出されたのだが、それは、本作の面白さの一つに過ぎない。
まずは何と云っても、屋外、砂漠や岩山での建設・労働シーンは、全カット、それは掛け値なしに、総てのカットで目を瞠る。地平線の奥の奥まで、遥か彼方の山の稜線まで、数えきれない程の人が動いているのだ。こんな映画って他にあるだろうか。
また、主要キャストのメイクや顔演技、所作のディレクションも凄い。なのに、ドラマ部分は、各シーンが短く簡潔に進行する。これぞホークスだ。例えば、蛇(コブラ)の演出も神業ではないか。終盤のジャック・ホーキンスとシドニー・チャップリンの死闘の迫力と、その後のジョーン・コリンズのふてぶてしさ。ホーキンスのミタメカットでの、コリンズのゆらゆらエフェクトも見事な画面。これだけの濃密なドラマを1時間45分の尺に収めている!興行的には失敗作、とのことだが、作品自体は超傑作だ。
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