[コメント] セインツ 約束の果て(2013/米)
これは傑作だ。将来、2010年代畢竟の傑作と位置づけられるのではないか。テレンス・マリックを意識させずにはおかない佇まいを持ちながら、しかし、マリックなんかよりも断然映画の演出の手触りがある。マジックアワー、斜光や逆光、手持ちカメラの多用と共に、人と人が抱きしめ合う所作の反復が切なさを増幅する。
ルーニー・マーラとケイシー・アフレック、或いはマーラとその娘は勿論のこと、マーラとベン・フォスター、フォスターとマーラの娘、そしてアフレックはキース・キャラダインにも不意に、かつ暴力的に抱きしめられるのだ。アフレックはマーラにもキャラダインにも、横臥した状態で頭を抱えられる。彼らの描き方は静謐な基調で統一されるが、同時に圧倒的な切ない緊張感で支配されている。手拍子を効果的に使った音楽の使い方も素晴らしく、大いに興奮させられる。
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