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[コメント] フロンティア・マーシャル(1939/米)

荒野の決闘』のリメイク元。70分ちょっとに収めた、とてもシンプルかつタイトな出来。冒頭の、更迭される保安官は、ウォード・ボンドだ。『荒野の決闘』ではアープ兄弟の一人を演じることになるが、本作ではワンシーンのみの登場。
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 酒場で暴れるインディアン・チャーリーは、『荒野の決闘』と同じ役者がやっている。ヘンリー・フォンダは床屋で髭剃り中に、インディアンを捕縛しに行ったが、本作のワイアット・アープ、ランドルフ・スコットは、ホテルのバルコニーに、仰角カットで登場し、「落ち着いて休めない」と云いながら、インディアンをやっつ けに行く。

 悪役としてはジョン・キャラダインジョー・ソーヤーが出て来るが、ソーヤーが目立っている。もう一人、ロン・チェイニー・ジュニアもいるが、これは弱い役。本作ではクラントン親子は登場しない。

 女優は、酒場女ジェリー役をビニー・バーンズリンダ・ダーネルがやることになる役割。コーラスガールをバックに唄う、ステージのシーンがある。そして、ドクを追ってきた、元看護婦のナンシー・ケリー。役名はサラで、クレメンタインではない。

 あと、実在の人気役者エディ・フォイの役を、そのジュニア(エディ・フォイJr.)が演じる。コメディパートとして、なかなか目立つ良い扱いで嬉しくなる。(ちなみに、エディ・フォイJr.は、マイケル・カーティス『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』や、ヘンリー・キングの『ウィルソン』でも父親の役を演じている。また、後年のミュージカル『パジャマゲーム』や『ベルズ・アー・リンギング』でもお馴染み。)

 矢張り、ドクを演じる、シーザー・ロメロの登場は「待ってました!」と声を掛けたくるような、カッコいい登場だ。流れ弾にあたったメキシカンの子供の手術を彼が行い、ナンシー・ケリーと外へ出た時、ソーヤーに撃たれる。

 クライマックスのOKコラルの決闘については、ロメロが撃たれたので、スコット一人で行く。相手はソーヤーと。アープ兄弟もクラントン親子も出てこない地味な決闘シーンだが、簡潔な演出がいい。全体にアラン・ドワンの演出は安定感抜群で、第一級の西部劇に仕上げている。

(評価:★4)

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