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[コメント] モスル/あるSWAT部隊の戦い(2019/米)

廃墟の上空をドローン俯瞰。これもCGなのだろうか、数カット繋ぐ。テロップでイラクの状況説明が入る。モスルはイラクの第二の都市。ISISのことを現地では、ダーイッシュと呼ぶ等。
ゑぎ

 唐突に、猛烈な銃撃戦。イラク警察対ダーイッシュ。弾丸が尽き、もうダメかと思ったところで、隊長ジャーセム率いるSWAT部隊に助けられる。この銃撃戦で生き残った新米警官カーワが主人公だ。彼はすぐにSWATにスカウトされる。

 昨今の戦争映画の常で(いや、アクション映画でなくても多いが)、全編ハンディカメラだろう。固定ショットはワンカットも無かったと思う。ただし、ズームは基本使わないし、ブレ映像もほとんど無し。空間把握や人物の位置関係も分かりやすく見せる。このあたりは、しっかりした撮影・演出だ。

 どこから銃撃されるか分からない、どこに爆弾が隠されているか分からない、いつ戦闘が始まるか分からない、といった緊張感は全編強烈に維持される。装甲機動車(ハンヴィー)の使い方もいい。クライマックスの突撃シーンも、多勢に少数部隊での突撃で、実にスリリングな場面になっている。あるいは、イラン人の将校と、タバコと弾薬を交換する交渉の場面における、怒鳴り合いとその静止の演出にも興奮させられる。

 終わってみると、本作はたった半日の物語で、いろいろな出来事が詰め込まれ、主人公カーワの急激な成長というか変貌が描かれている。この時間感覚は、ある意味演劇的というか、作り物臭く感じられる。また、ジャーセム隊長が、もう一人の主人公と云ってもよい扱いだが、彼のヒロイックな造型も(立ち寄る場所場所でゴミを拾う等含めて)、映画らしい作劇と云えるだろう。カッコいい!と思いながら見るが、カッコよく描かれ過ぎているとも思う。

(評価:★3)

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