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[コメント] 炎のデス・ポリス(2021/米)

これも、すこぶる面白いアクション映画。西部劇のような荒野の風景ショットから始まり、リボルバーをクルクルとスピンさせる女性の警官が登場するという、カッコいいオープニング。
ゑぎ

 この警官ヴァレリー−アレクシス・ラウダーが、全き主人公なのだ。私の予想に反して、プロットの大半は彼女の所属する警察署(ガンクリーク署という名前)の中だけで展開する、案外ミニマルな舞台だが、追われる男テディ−フランク・グリロと追う男ボブ−ジェラルド・バトラーが、共に自ら留置場に入って来、さらに、もう一人の追う男、サイコパスのアンソニー・ラム−トビー・ハスが登場して、もうカオス状態の殺戮と、三つ巴、四つ巴の激闘が繰り広げられるのだ。そんな中でのヴァレリー−アレクシス・ラウダーのスマートさがカッコいい!

 特筆すべきシーンは沢山あるが、例えば、序盤でボブが、留置場内で署長の拳銃を奪い、テディを撃とうとする場面で、ヴァレリーが後ろから来てホールドアップさせる見せ方。その後の会話演出の緊迫感。あるいは、ヴァレリーが、留置場内の通路にパイプ椅子を出して座り、彼女とテディとボブとの3人を、縦構図で見せる会話シーン。こゝでは、意識的に、小津みたいな正面バストショット、ほゞカメラ目線の切り返しが使われている。そして、アンソニー・ラムのマシンガンによる銃弾を避けて、ヴァレリーが留置場に逃げ込む場面。防弾扉に銃弾がめり込んでデコボコの弾痕が増える表現がいい。負傷していたヴァレリーが、マシンガンは9ミリ弾、この傷は45ミリだから、自分の弾が跳ね返って当たった、と冷静に分析する。もうこれ以降の状況を記述するとネタバレになってしまうので、詳述はしないが、ラスト近くのヴァレリーの見せ場も、警察署内の銃器庫や、二階一階の高低を使ったアクション演出が見事だとだけ書いておこう。

 実は、俳優では最もビッグネームのジェラルド・バトラーが、終盤まで、一脇役に過ぎない扱いなのかと(それも面白いと)思いながら見たのだが(もちろん、一脇役としてもかなり目立つ役だが)、ラスト近くになって、ちゃんと際立って来る、という構成も周到だと思う。しかし、それでも、あくまでも主人公は、アレクシス・ラウダーだ、というエンディングがいい。今後注目すべき女優だと思う。

(評価:★4)

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