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[コメント] アウトポスト(2020/米)

基本手持ちカメラでの撮影で、冒頭からシェイキーなカットばかりなのだが、これが意外と酔わなかった。
ゑぎ

 一つ云えるのは、手持ちだが、同時に、基本ズーミングを使わないカメラワークであるところが良いのだろう。ズーミングを使わずに、小さなドリー様の前進後退移動が選択されている。

 さて、瞠目した演出はいくつもあるが、矢張り何と云っても、吊り橋での爆殺カットのカメラワークには驚愕した。川の上を後退移動して橋を横から捉えたロングショットになる。そして、勿論、終盤の40分以上に亘る総攻撃シーケンスも、凄い長回しショット、凄い手持ちの移動撮影が多数ある。これは戦争映画史に残るバトルシーケンス、と云うべきだろう。

 また、終盤の総攻撃シーケンスの戦闘が終わった後も結構尺を使うので、宜しくない傾向かと思ったのだが、しかし、エピローグのようなこの部分も、演出はあなどれないのだ。それは2つの固定ショットの切り返しの演出を指していて、一つ目は、ヘリで輸送される場面での、兵士同士が目を合わせるアップカットの切り返し。もう一つは、生き残った兵士と女性カウンセラーとの会話場面の切り返し演出だ(いずれも役名、俳優名を書くとネタバレになるかと思い「兵士」と記述しておきます)。戦場では、手持ちカメラでシェイキーな画面、戦場を離れると、安定した画面となり、映画の王道のような切り返しを見せるという、意思のある演出がいい。

 尚、スコット・イーストウッドはやっぱりカッコいいですよ。甘い声が父親に似ています。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、序盤でミスして叱責を受けるシーンがあるだけに、終盤の活躍との振り幅も大きく、これも良い役。あと、オーランド・ブルームマイロ・ギブソンは、もうちょっと見たかった。

(評価:★4)

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