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[コメント] 狙撃者(1952/米)

狙撃される対象の描き方が容赦ない。特に2人目は、狙撃者−アーサー・フランツのリアクションのカットがなく、唐突に撃たれるのでびっくり。出てくる女性がみんな嫌な人物として扱われるのも徹底している。
ゑぎ

 これはドミトリクにしては畸形的な突出したシーンを多く持つ映画だ。傑作とか名作とかいった類の映画ではないが、カルトムービーらしさがぶんぶんする。もっとも特徴的だと思うのは、ラスト前、煙突掃除夫が絡むシーンと、そこから続く逃亡シーンだ。この、掃除夫のロングショットでの見せ方にも唸ってしまうのだが、その後、アーサー・フランツが、ビルの外壁の非常階段を下りる姿や、廃線のホームを走る姿などを丹念にカットを変えながら繋ぐのだ。2台カメラによるマルチ撮影&アクション繋ぎ。坂の多いサンフランシスコの町を活かした画面が丁寧に描かれており、なぜ、こゝでこんな繊細な描写が必要なのだろうと思ってしまうのだが、エンディングを見て、このエンドマークを導く感情の醸成なのだと合点がいく。

(評価:★3)

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