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[コメント] 怒りの山河(1976/米)

これも現代の西部劇だ。定住している農牧民と新参の資源開発業者との争いを描いた映画。そしてこれもまた、エンディングで組織へ殴り込みをかける任侠映画でもある。
ゑぎ

 前半は展開が早い。特に冒頭はキビキビ繋ぎ過ぎと云えるぐらい。これが後半になって緩くなる、といったバランスの悪さはあるが、しかし全体にカッチリ作られている。見せるところはよく見せる。例えば、ピーター・フォンダが故郷の牧場へ帰ってきた場面で、フォンダとその親父・ジョン・ドゥーセットとの再会のカット割りに感動する。或いはフォンダの弟・スコット・グレンが懐妊している嫁さんといちゃつくシーンもとってもいい演出だ。他にも、岩石が農家の上に落ちてくるカットなんかも実に上手くやっており、各シーンのロケーション選びのこだわり含めて低予算ながらもスペクタクル創出に対して一所懸命工夫していると思う。ジョナサン・デミのこの後のメジャーでの活躍が十分に理解できる。

 フォンダが夜、開発業者の重機を破壊するシーンで、ヘリコプター撮影のカットがある。これが夜間撮影で、フォンダが乗馬で走るところを上空からライトをあてて撮っている。これって現実離れしたショットになってしまっており、ちょっと奇異な(シュールな)カットだ。あと、マジックアワーを試しているようなカットがいくつかあるのだが、フィルム状態が悪いこともあり、露光オーバー気味に見えるだけになっている。

(評価:★3)

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