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[コメント] サハラ戦車隊(1943/米)

本作は、ミハイル・ロンム監督作『十三人』(『Trinadtsat』/『The Thirteen』1937年)というソビエト映画をリメイクしたもので、舞台を第二次大戦の北アフリカ戦線に移し、上手くアレンジしている。
ゑぎ

 主人公は、戦車がエンジントラブルになり、本隊からはぐれた戦車兵(軍曹)のハンフリー・ボガート。彼の部下にはダン・デュリエブルース・ベネットがいる。そこに英軍兵士数人と、イタリア人捕虜を連れた南アの兵士、途中で捕らえた独軍パイロットの捕虜が加わり、連合国側10人余りが、サハラ砂漠で500人のナチスドイツと戦う、というお話だ。

 戦争のさ中に作られているだけに、ドイツ側は、指揮官にせよ、捕虜のパイロットにせよ、かなり卑怯者として描かれている。それに対して、イタリア人捕虜は、善良に描かれており、このイタリア人をやったJ・キャロル・ネイシュは、かなり目立っている。

 また、本作は、砂漠を絵画的に撮るつもりはほとんどないように見える。その代わり、活劇としてのプロット運びに徹しており、ま、元々のお話が面白いのだが、かなり面白い映画になっている。エンディングは、本作だけが、リメイク元とも、本作をリメイクした、アンドレ・ド・トスの『廃墟の守備隊』とも異なっており、アクション場面は弱くなったが、人を食ったエンディングになっていて、これはこれで面白い。

#備忘でその他の配役等を。

・合流する英兵は、指揮官(大尉)にリチャード・エイハーン。その他にロイド・ブリッジスや、仏人のルイス・メルシエがいる。ちなみに、ブリッジスは『廃墟の守備隊』にも出ている。

・南アの黒人兵(軍曹)はレックス・イングラム。彼もよく目立つ。

・捕虜になるドイツ軍パイロットはカート・クルーガー

・ちなみに、ロンムの『十三人』を、フォードの『肉弾鬼中隊』(1934年)のリメイク、とする向きもあるが、スターリンがロンムに『肉弾鬼中隊』のリメイクを命じた、という逸話からそう云われているだけで、設定を少し借りたに過ぎない。

(評価:★3)

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