[コメント] 冬物語(1991/仏)
冒頭はバカンスのシーンか。フェリシーとシャルル。ラブラブの描写。フェリシーには全裸カットあり。シャルルが彼女のお腹を触るカットは意味深だ。列車での別れのシーンで、住所を伝えるフェリシー。こゝで唐突に、5年後の冬のパリに時空が飛ぶ。
5年後のフェリシーはロイックという図書館職員と、勤め先の美容院のオーナー(美容師)であるマクサンスという2人の男性と付き合っている。また、フェリシーは、5歳ぐらいの娘(エリーズ)のいるシングルマザーでもある。
本作の良さの第一は、主人公フェリシーの心変わりの展開だろう。いや、心持ちが変化するその瞬間の描写に感動するのだ。マクサンスに呼ばれて娘と一緒に彼の故郷の町(ヌヴェール)へ引っ越したにも関わらず、早々にパリに帰ると決心するときの描写。パリに帰ったフェリシーが、ロイックと一緒にシェークスピアの「冬物語」を観劇する場面。こゝは、本作の画面造型的な意味合いではハイライトだろう。重厚なコスチュームプレイの演出は神々しさに満ちており、フェリシーが涙を浮かべて感激するのも良く分かる場面なのだ。明確に描かれていないが、この夜、フェリシーとロイックは一夜を共にしたのだと思う。
さて、私の感覚だと、終盤の展開をつまびらかにしても、未見の方が本作に面白さを感じる妨げには全くならないと思うのだが、ネタバレに敏感な方のために伏せておきましょう。一つだけ書くならば、全体に子役である娘エリーズの自然な演技というか存在感も見どころになっていると思うが、終盤のバスの中のシーンにおける彼女のカット、その視線の演技も本作のハイライトだ。
#バスのシーンには『緑の光線』や『恋の秋』のマリー・リヴィエールがいる。
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