黒澤作品等を見ると三船が下品というか武骨を出した侍を演じている。この映画だとみんな上品。幕末のお役人としての侍が描かれていているのだから戦国の侍とは違うんだろうけど、なんか違う。侍の美しさというものはただ美というものではなく美と醜いものが一体になったようなものと私は解しているので、武士というものを描いたというより山田監督本人が描きたいものを描いたという事なのだと思う。

演出や演技の質は素晴らしかったけれど、武士の映画として観てた私には違和感がありました。