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[コメント] サイコ(1960/米)

「モノクロ=古い、見にくい」そんなイメージを持っていて、いまいちモノクロ映画に入り込めなかった自分を完全に集中させた初めての映画。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「初めて」とか言ってはいますが「サイコ」を観る以前に観ていたモノクロ映画なんてものは『市民ケーン』(途中まで観てビデオは棚の奥地に葬り去られている)と『ロリータ』ぐらいです、ハイ。テレビはカラーで当たり前。家で映画を観るときにはDVDで5.1CH。よくよく考えてみれば随分とゼータクな時代に生まれた自分。そんな自分にとってこの初めて観たヒッチコック作品は、スリラーやサスペンスと言えば大抵はこの人が出てくるので、「チェックしとこうかな」程度の軽い感じで観たものだった。

映画と言ってもほとんどカラーしか観ていない自分としては「モノクロ=見にくい、古くさい」のイメージがつきまとい、結局そのイメージを忘れるくらいまで見入ってしまったことがない(後々に観た『博士の異常な愛情』などはまた別格)。

しかし、この作品はそんな自分の中のイメージを忘れさせてしまったのだ。最初はやっぱり「見にくいな」とか思っていた。しかし主人公だとばっかり思っていた女が殺されたシャワーシーンの辺りからはカメラワーク、要所要所でしっかりとビビらせる効果音(これはやっぱり古くさい)など、近年の作品以上の演出にはビックリさせられる部分もあった。シャワーシーンはスローで観ても(観るなよ)大事な部分はギリギリで隠れている。作品が古すぎるおかげで、ネタバレも聞いてなかった分、結末を色々予想できたのも良かった。「母親が10年前に死んでるのはウソだ!」とか、もうここでは言えないほどバカなものまで。

結局、最後は「なんだ、二重人格か。どこかで聞いたことありそうなオチだな。」とどこか負け惜しみも入りながら思っていたら最後は男の顔とドクロのような顔がダブってTHE END。しかし中盤でもちょくちょく騙されて、最後の最後でただのイカれ男の犯行とは思えなくなるという最大のワナが待っていたとはな・・・。

さて、ここまで誉めといてなぜ★4かというと、衝撃は確かにあった。でも、いつまでも心に残るほどの衝撃では無かったし、効果音の古くささなんかがどうも拭いきれなかった。そしても一つ、真の恐怖を体験するまでに至らなかったから。ありきたりな意見に付き合わせてスミマセンでした。

(評価:★4)

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