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[コメント] Arc アーク(2021/日)

端正な画づくりと物語のテーマが絶妙にかみ合って、深い印象を残す。それに実質17歳から30歳まで、そしてそこから100年を生きた人間を演じた芳根京子の演技は特筆もの。
シーチキン

不老が実現し、若い姿のままで100年を超えて生きるようになった時、果たして人は幸せになるのか、何を思うのか、いろいろと考えさせられた。

そして同時に、そのテーマで考えさせられたという事をもってして、死が生に何らかの意味というか、影響を及ぼすと言うことはできるのだろう。

これまで誰か一人、又は複数であっても少数で特殊な者が不老不死、永遠の命をえて、この世界をたどるという物語はあったが、基本的に誰もが不老となる時、人はどうなるのか、誠に興味深い。

そういう興味深さを保った画づくりだったと思うし、その意味からも秀作だった。

あとね、最後の倍賞千恵子はね、後からいろいろ思いなおしても、絶品だった。

劇中の役柄としてもそうだし、一人の役者しても、気品と色気を兼ね備えた女優として、素晴らしい、の一言に尽きる。

(評価:★5)

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