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[コメント] 潜水艦イ−57降伏せず(1959/日)

終戦直前の和平工作秘話を軸にしながら戦争の愚かさというか悲劇と、勇壮さというか散り際の美学みたいなもの、両方を描いているようにみえる。DVD収録の予告編には「海軍魂」という文字が躍っていたが、つまるところそのまんまの映画ではないか。
シーチキン

撮影にはかなり工夫が見える。いかにも潜水艦らしい狭い視野の中での奥行きの出し方や、特撮との折り合いのつけ方も見所といえば見所。

劇中、嵐の中での航行で揺れる艦内が出てくるシーンがあったが、あれはひょっとして、カメラだけを揺らしてセットなどは揺らしていないのではないか。それを揺れているように見せるための小道具、吊り下げたものやテーブル上の灰皿の動きなどをつくるとともに、それにあわせて役者に芝居させていたように見えて、それらの特撮にいかにも円谷英二らしさが感じられた。

内容としては、帝国海軍の誇り高き軍人の姿を描いたととるか、無意味な死を膨大に積み上げていく戦争の悲劇を描いたととるか、見るものに問いかけているというべきか、任せたというべきか、ちょっと考え込んでしまった。

(評価:★3)

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