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[コメント] チリ33人 希望の軌跡(2015/米=チリ)

感動劇としてみればイマイチだが、危機対処の指南劇としてみれば非常に有意義。ただしどちらにせよ邦題がひどすぎる。
ロープブレーク

**ネタバレ注意**
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現実の事故として2010年8月にチリで起きたコピアポ鉱山落盤事故を題材にしているため、結末は分かっている。ゆえに感動劇としてみるには、鑑賞前からネタバレ済みという致命的に不利な条件下にある。加えて、17日間を3日分の食料で過ごしたとは思えない役者陣の役作り(肉体作り)の放棄ぶりが感情移入をはばむ。

だが、天災人災を問わず生死にかかわるような災厄に見舞われる確率が急上昇している昨今、極限下の33人がどのように危機に対処して生き延びることができたのかを活劇として知ることのできる本作は、危機災害マニュアルとして見れば大いに参考になる。

33人の対処が、家族の行動が、あのようでなければ間違いなく犠牲者として墓標に書き込まれていたであろうと確信させてくれる。「天は自ら助くるものを助く」と知ってはいても、危機下に於いてどのように自らを助けたら天は微笑んでくれるのかを知っていなければ、生き延びることはできない。それを知ることのできる秀作マニュアルだ。

ただしボリビア人の存在を無視した邦題はいただけない。私がボリビア関係者だったら厳重抗議したことだろう。

(評価:★4)

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