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[コメント] 王将(1948/日)

心と心のぶつかり合いで出た光はとても眩しく温かかった。
寿雀

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 人はみな自分の価値観をもち生きている。その価値観を批判されれば、腹がたち容易にその意見を受け入れることが出来ない。ましてや、一番近い存在から批判されればより一層腹が立つ。

目が完治して8年後・・・三吉は関根との一戦の事で娘;玉江から勝負には勝ったが、己には負けたと責められる。怒り狂う三吉は娘を追い掛け回し、自分の姿を鏡で見る。  昔は家庭をかえりみず、一心不乱に将棋の事だけを考え、妻と子供を自殺未遂まで追いやった鬼の三吉は8年後、新聞社、講演会、妻、娘の事を考え将棋をうっている。そこには8年前の鬼だった三吉の姿はなく、仮面を被った三吉がいる・・・自分の姿を鏡で見た三吉は鬼を思い出す。三吉は自分自身の仇である関根に対してまた鬼となる事を決意する。 娘の優しい心、三吉の真っ直ぐな心、心と心のぶつかり合いで出た光はとても眩しく温かかった。 また、関根、妻、と三吉の関係も感動しきりでした。

本当に愛すものがあり、それに対して真っ直ぐ進む心、それを理解し支える人々。 中途半端ではなく、真剣に一生懸命生きてるからこそ、自然と周りの人生にも光を与える事が出来る。 本当に素晴しく、素敵な映画でした。

(評価:★5)

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