コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] セルラー(2004/米)

普段から、携帯が鳴ると妙に不安になる電話恐怖症の僕としては、現実の、携帯電話の存在そのものの方がサスペンス。
煽尼采

電話を使ったワンアイデア物として、『フォーン・ブース』と比較して語りたくなる映画。実際、両者を比較したレビューはネット上に散見できるし、実はどちらも原案がラリー・コーエン。『フォーン・ブース』は、携帯電話の普及によってもはや天然記念物、というか単なる遺物と化しつつある電話ボックス及びその周辺、という限定されたエリアだけで展開するサスペンス。対してこの『セルラー』は、誘拐された奥さんが犯人に隠れてかけた電話がたまたま携帯にかかって来てしまったダメ青年が、奥さん及びその家族の為に東奔西走する映画。

ハッキリ言って、『フォーン・ブース』に軍配を上げたいですな。『セルラー』は、携帯の電池切れとか圏外とかいった要素を巧くスパイスとして利かせた映画だとは思うんですが、いかんせん、ストーリーもアクションもギャグも結構凡庸なんですよね。アイデアとして独自性のあるのは、携帯が関わる部分だけ。テンポの良い展開にも関わらず、観ていてかなりダレる。その点、『フォーン・ブース』は、主人公が電話ボックス一ヶ所から動くに動けない状態に置かれたまま展開していく映画だから、このワンアイデアが最初から最後まで遂行されている新鮮さがある。

まあ、この『セルラー』で使われた携帯ネタは、これから色んな映画で使いまわされていくんでしょう。この点、もはや存在自体が風前の灯である電話ボックスに比べ、将来性が期待できる部分ではあります。ただ、携帯でやれるアイデアは、『セルラー』で使い果たされた観も。新たな才能に期待、というよりは、新たな機能の付いた新機種の登場に期待ってとこなのかも。

因みに、僕が『セルラー』で一番面白かったのは、最後の出演者&スタッフ紹介のトコ。一時間半付き合ってあげた労が報われる演出だったので、まあ許してあげようかなと思いました。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。