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[コメント] 存在のない子供たち(2018/レバノン=仏)

器質的な叙法を用いる啓蒙的態度にとってはその結婚があり得ないために、店主と妹をやや知的に問題のある枠に入れる。機能性を基準に人を描き分ける感性は保証人詐欺での人の変容を愉快に捕捉し、生体そのものである赤子への肉薄は虐待かと見紛うばかりだ
disjunctive

他方で、少年の性能を持ち上げずにはいられないために社会小説はスポイルされる。その性能ならどんな環境でもやっていけそうに見えてしまう。作者のリベラリズムは古典的であり、ただ行政の浸透を願うばかりである。ややもすればアナクロに見えかねないその一途さは、北半球の客層には優越感を満たす材料にしかならないだろう。

(評価:★4)

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