冒頭からジョニー・デップの魅力と共に引き込まれ、死と共に最後の余韻を得る。 そんなジョニーの魅力いっぱいの映画だった。

　しかし内容は、私には重い課題を突きつけられてしまうものだった。私は、最近良く思うのが、立場が変われば正論もそうでは無くなるし、正義も味方を変えれば悪にもなり得るということだ。 　この映画は、派手なアクションを随所にちりばめながら飽きのこない演出をしているが、淡々と進むシーンにこそ見所がある人間ドラマだったのでは無いのだろうか。

　先に立場変わればと書いたが、デリンジャーは、ド派手に銀行強盗を繰り返す社会のルールを守らないお人である、こんな人を野放しにすれば社会など成り立たないのは明らかである。しかし、その裏には仲間を思い苦しい監獄から脱獄させる。（これも悪いことですな）、一方、恋人を思い守る良き人でもある。

　また、検察官は、悪を捕らえる事をひたすら願い行動する。仲間が撃たれても悪人をひたすら追いかける（これって見捨ててるだけ･･･）警察の鏡の様なお人である。しかし、悪人の仲間には容赦しないし仲間の進言もあまり受け入れない、悪人は死ぬべしとばかりひたすら撃つ撃つ撃つ・・・目には目をということはわかるが社会を守るばかり人として何が大切かどこかに置き忘れてしまっているんじゃない？

　いったいどちらの立場が正義で悪なのでしょう・・・・・・・社会のルールこれにかぎって言えばデリンジャーこそ悪です。でも、この映画で突きつけられている内容・演出から単純にそう言い切って良いのでしょうか？？

　たぶん、この手の課題は、永遠に答えが見いだせないとも思います。しかし、私は家族や仲間を大切にする人をこそ褒め称えたい。