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[コメント] ボスニア(1996/ユーゴスラビア)

戦争、特に内戦の悲惨さ、やりきれなさを巧みに描いた傑作です。
TM(H19.1加入)

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ユーモラスな描写も、あまりにもどうにもならなくて「笑うしかない」という自虐的なものであって、悲惨な状況をいっそう際立たせる効果を生み出しています。

 脚本・演出が良く出来ていて、全く飽きさせることがなく映画としても良くできています(やや、ムスリム側の非道さを強調しているきらいはありますが)。

 こういう作品を観ていると、「平和」というものは「みんな仲良くしましょう」とか「愛があれば・・・」とかそういう甘っちょろいだけのものではなく、人間が人間として生きていくために、それが例え虚飾に満ち溢れたものであろうとも、あらゆる手段を講じて築き上げ維持していかなければならない「仕組み」なんだなということに気づかされますね。

 ちなみに、映画の中で出てくるスローガン「ボスニアを東京へ」の元ネタは、セルビアのサッカークラブ レッドスターがUEFAチャンピオンズリーグを制覇して東京で行われるトヨタカップに出場することを祝して使われたチャント(「セルビアを東京へ」)です。

(評価:★4)

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