web上の感想ではストーリーに関して否定的な意見をよく見るが、個人的にはけっこう「おおっ！」と思ったよ。いや、よくあるオチではあるし、まさに「懐かしい」センのものではあるんだけど。そういうのを持ってくるような映画だとは思ってなかったので。

　物語に対して否定的な意見の人は、本作の「信用できない語り手」の処理方法のアンフェアさに怒っていると思うんだが（確かにかなり杜撰）、宣伝用ポスター（クローゼットの中にいるのに、目が驚いていない）も含め、そこそこヒントを散りばめているので、許容範囲かなーと。ただのおっさんのくせにやたら細かいところに気づく殺人鬼とかね。

　冒頭でなぜか『なまいきシャルロット』のテーマが流れるのが、あまりにも場違いで笑った。

（2012年7月追記）見てから数年たった今頃気付いたんだけど、『なまいきシャルロット』テーマ曲の引用は、この映画のキモの部分を暗示していたということなのだな、多分。つまり、『なまいきシャルロット』におけるシャルロットとルル（眼鏡のちっちゃい子）の関係。シャルロットに憧れ/友情/愛情を感じてるんだけど最近は邪険にされて、ちょっと暴走しちゃうっていうね。あの関係。ルルちゃんはショートカットだったが、この映画でも「主人公」がショートカットだよね。